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花 ててたりと
所在地:埼玉県
主要用途:福祉施設(就労継続支援B型施設)
構造:鉄骨造
規模:地上2階
延床面積:約213㎡
撮影:堀田貞男
ハンディキャップのある方が必要な支援を受けながら働く、福祉的就労のための就労継続支援B型事業所である。事業者から「障がいのある方を隔離する箱ではなく自然な社会参加を実現する場所にしたい」という要望で貸テナントの内装設計を依頼された。
入居先のテナントビルは住宅や工場が点在する地域にあり、前面道路は通学路としても利用され地域の方の往来が見られる。この道路に面して店舗を置くことで地域の方々と施設を繋ぐ場所とした。認可に必要な機能訓練室等の諸室は就労者専用として奥へ配置することで就労者が落ち着いて働きながら自分のペースで接客や販売にチャレンジできるようにゾーニングした。
店舗天井には木製の立体格子を展開し、施設の道路側からの視認性を高め、アルミとガラスから成る建物の印象を和らげた。また、部分的に組む段数を変更することで商品の立体的なディスプレイ計画や動線のきっかけとした。立体格子と床材のスパンは300mmに統一することで、秩序だった内装と、自由な人や植物が程よく馴染むことを意図した。
多様性が尊重される社会に向け福祉施設の需要が増加する一方、小規模な施設は予算の低さからビルの一角を借りて許認可に必要な部屋を確保しただけの箱となりがちである。既存建物のもつ地域との繋がりに着目してデザインする範囲を選択することで、就労者が地域との繋がりを持ちながら人間らしく働き社会参加できるよう計画した。
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